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クリーンビューティーが注目される理由。SDGsとの関係やコスメの選び方を解説

クリーンビューティーとは人や環境に配慮した活動や商品、ブランドのこと。近年、美容業界を中心にクリーンビューティーを意識した商品開発が行われ、サステナブルな活動としても注目されています。本記事では、クリーンビューティーとは何か、コスメの選び方やナチュラルやオーガニックとの違い、注目されている理由を解説します。

クリーンビューティーとは

大理石の背景にクリームと葉

出典 Shutterstock

クリーンビューティー(Clean beauty)とは、直訳すると「清潔な美しさ」という意味です。一般的には健康や地球環境、動物に配慮したコスメやコスメブランドを指します。クリーンビューティーには明確な定義はありませんが、下記の条件を満たすものを言います。

・健康や環境に有害な成分を使用していない(セーフティ、ヘルシー)
・自然由来、天然由来の原料を使用したもの(オーガニック、ナチュラル)
・地球環境や社会、動物に配慮したもの(エコ、サステナビリティ、クルエルティフリー)

クリーンビューティーが注目される理由

手のひらのクリーム

出典 Shutterstock

クリーンビューティーが注目された背景には、2015年に国連サミットで採択されたSDGsとの関連があります。SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称であり、サステナブル(持続可能)な社会を実現するために2030年までに達成する17個の目標のことです。

近年、多くの企業がSDGsへの活動に取り組んでいます。環境に配慮した容器の開発、プラスチック循環型社会構成を目指す4R(リデュース、リプレイス、リユース、リサイクル)」への取り組みは、ゴール12「つくる責任 つかう責任」、ゴール14「海の豊かさを守ろう」といったSDGsの目標達成につながり、クリーンビューティーへの理念にもつながります。

クリーンビューティーとナチュラルやオーガニックとの違い

ココナッツオイルを塗る手

出典 Shutterstock

似た言葉であるナチュラルとオーガニックを確認しましょう。それぞれの特徴とクリーンビューティーとの違いを紹介します。

ナチュラルとは

ナチュラルとは「自然な」や「天然な」を意味し、自然由来・天然由来の原料を使って作られたもののこと。原材料は、植物から抽出したエキスやオイル、精油などが挙げられます。

ナチュラルの明確な基準はありません。少しでも天然由来成分が入っていなければ、ナチュラルと謳えます。ナチュラルとクリーンビューティーとの違いは、天然由来成分の有無ではなく、健康や環境へ影響を与える成分が入っていないなど、クリーンビューティーの基準を満たしているかどうかの違いです。

オーガニックとは

オーガニックとは「有機栽培」のことです。農薬や化学肥料を使わず、有機肥料により生産した農産物、およびそれらを原料にしたコスメや食品などを指します。

オーガニックの商品には、世界基準の認証マークが付いていることが多いです。認証マークがなく、ブランド独自の基準が設定されている場合もあります。オーガニックとクリーンビューティーの違いは、ナチュラルと同様に原料使用の有無ではなく、健康や環境への配慮がなされているかです。

クリーンビューティーコスメの選び方

粉を盛った皿とビン

出典 Shutterstock

続いてクリーンビューティーコスメの選び方を紹介します。目的に合うコスメを選んだら、使う前にサンプルなどを利用して自分の肌に合うかどうかを確認してくださいね。

認証マークで選ぶ

オーガニック・ナチュラルなコスメに関して、世界基準の認証マーク「エコサート」や「コスモオーガニック」などが有名です。日本では、日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会、略称ジャノカ(JNOCA)が立ち上げた認証マークがあります。

クリーンビューティーは明確な基準がなく、そのものを示す世界基準の認証マークはありませんが、オーガニック・ナチュラルの認証が参考になります。クリーンビューティーコスメの見分けがつかない場合は、認証マークの有無を確認しましょう。次章で認証マークの詳細を解説します。

成分で選ぶ

ブランドによって成分の基準は違うので、一概に善し悪しは言えませんが、以下の成分には注意が必要です。

・シリコン(合成ポリマー)
肌触りをなめらかにする成分。毛穴カバーやウォータープルーフ効果のあるコスメ、指通りの良い髪に導くシャンプーなどに含まれています。一方で、毛穴詰まりを引き起こす危険性や、微生物の力で分解されないために環境への影響が問題視されています。

・合成香料
少量で香りを付けられますが、敏感肌の人は刺激を感じることもあります。

・鉱物油
石油から得られる油です。ミネラルオイルとも呼ばれ、持続可能な原料でなく環境問題となっています。

口コミで選ぶ

インターネットのSNSや口コミ投稿サイトで、コスメを購入した人の感想を確認すると、実際のコスメがどのように作用するかが分かります。使用感は個人差がありますが、評価の高い製品なら自分にも合う可能性が高いでしょう。口コミ投稿サイトによっては、投稿者の購入品やリピートしたかどうかを絞り込み検索できるので、確認すると良いですね。

クリーンビューティーに関する認証マーク

植物とビーカーを持った手

出典 Shutterstock

最後にクリーンビューティー・コスメを選ぶ際に参考にしてほしい認証マークを紹介します。ここでは、世界基準のオーガニック・ナチュラルコスメの認証マークや日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会のJNOCAを紹介します。

コスモス(COSMOS)認証

コスモス(COSMOS)認証とは、オーガニックコスメの品質を認証する国際的制度です。コスモスは、Cosmetic Organic Standardの略。国際非営利組織「COSMOS Standard AISBL」が運営しています。

ヨーロッパ5ヵ国のオーガニック認証団体、BDIH(ドイツ)、Cosmebio(フランス)、ECOCERT Greenlife SAS (フランス)、 ICEA(イタリア)、SOIL ASSOCIATION(イギリス)が統一基準を設けるために設立しました。

エコサート(ECOCERT)認証

エコサート(ECOCERT)とは、フランスのトゥールーズを本部とする国際有機認証機関です。農産物をはじめ、加工食品、畜産物、コスメ、コットンといったさまざまな有機認証を提供しています。

エコサートを含む5つの認証団体が前述のコスモスを策定した際、最も基準が厳しいエコサートコスメ認証を基準にしました。現在、新規にエコサート認証を取得すると、エコサートコスモス認証になります。

ジャノカ(JNOCA)認証

ジャノカ(JNOCA)とは、日本初のナチュラル・オーガニックコスメ認証協会である、一般社団法人日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会(JAPAN NATURAL ORGANIC COSMETICS ASSOCIATION)の略です。化粧品に関して、一般消費者が安心して選べるように、成分に関する独自の基準をクリアした製品を認証する機関を指します。

ジャノカでは、「JNOCAナチュラル」「JNOCAオーガニック」という2つのコスメ認証基準を設けています。

クリーンビューティーを選んでSDGsの取り組みに貢献しよう

花に寄り添う女性

出典 Shutterstock

クリーンビューティーとは人や環境に考慮したブランドや製品であり、SDGsとも密接な関係があります。ブランドの理念を確認し、SDGsに取り組んでいるブランドを選ぶことは、個人で取り組めるサステナブルな活動です。クリーンビューティーな製品を選び、サステナブルな活動に貢献しながら、おしゃれを楽しんでみませんか。

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JUNO
サムネイル: JUNO
趣味はカメラと美術館めぐり。アートからインスピレーションを得た自分だけのファッションを楽しむのが好き。