LOHAS(ロハス)とは?意味や起源・心身を豊かにする生活様式の例を紹介
LOHAS(ロハス)とは環境だけではなく自分の健康にも優しいライフスタイルのことです。本記事では、ロハスの意味や具体的な生活様式まで詳しく解説。さらに日本で開催されるロハスのイベントや、ロハスとSDGsの違いについても紹介します。
目次
LOHAS(ロハス)とは
LOHAS(ロハス)とは「Lifestyles of Health and Sustainability」の略語で、直訳すると「健康的で持続可能な生活様式」という意味です。経済的にも精神的にも無理なく地球環境に配慮した生活スタイルのことを指しています。例えば、環境に配慮してマイバッグやマイカップを持参することはロハス的な生活と言えるでしょう。
ロハスのポイントは、自分が出来る範囲で無理なく環境保全に役立つ生活を送ることにあります。また、ロハスには環境だけではなく「自分の健康を持続的に保つ」という意味も含まれています。
ロハスの起源
ロハスは1990年代にアメリカの社会学者であるポール・レイと、心理学者のシェリー・アンダーソンにより調査が行われました。ロハスな価値観を持った人々は全米人口の26%にあたる5000万人存在していて、その消費市場は30兆円に上るというマーケティングコンセプトが発表されました。その後、雑誌『LOHAS Journal』が発刊され、徐々にロハスマーケティングが形作られていきます。
アメリカでは主にビジネス用語として利用されているため、ロハスという言葉は一般消費者への普及率はあまり高くないかもしれませんが、日本では2004年頃からメディアなどで取り上げられて徐々に浸透していきました。InstagramなどのSNSでも「#lohas」というタグがついた投稿が見られる点から、現在ではライフスタイルのひとつとして普及したと言えるでしょう。
ロハスの5大マーケットとは
ロハスには5つのカテゴリーが存在します。アメリカではそのカテゴリーに沿って市場を拡大しているため「5大マーケット」と呼ばれるようになりました。私達消費者側は、5つのカテゴリーを生活に取り入れることでロハスな生活を送れるようになります。
① 持続可能な経済
エネルギーや技術・製品などを購入する際に、地球環境に配慮した物を選ぶようにすることはロハスと言えます。再生可能エネルギー、エコ建築素材や技術、省エネ製品、太陽光発電や風力発電などの、環境への負荷が少ないものが該当します。
② 健康的なライフスタイル
生活の中で健康的な食品や物、行動を意識的に選ぶようにすることもロハスのひとつ。健康的な食品には、農薬を使用せず自然の力で育ったオーガニック食品やフェアトレード飲食品、地産地消製品などが挙げられます。物や行動では、天然/有機衣料などの商品、自然由来の成分でできたセルフケア商品の他、家庭菜園や栄養サプリメントなども健康的なものに含まれます。
③ 代替医療
ロハスでは薬に頼らず、病気になりにくい身体づくりを行うことを推奨しています。例えば自然治療では、身体が本来持っている自然治癒力を生かして健康維持をしたり治療をしたりします。その他にも東洋医学や予防治療、全体治療、補完医学などが挙げられます。
④ 自己開発
心と体が常に安定した状態で過ごせるように、自分で勉強や行動をしたり、時間やお金を投資したりすることもロハスの一環です。自己開発の例としてイメージしやすいものには、ヨガや禅、瞑想などがあります。それだけではなく、能力開発のためにセミナーを受講することや書籍を読むことも含まれます。
⑤ 環境に配慮したライフスタイル
商品やサービスを購入する際は、環境に配慮した物を意識して選ぶようにしてみてください。例えばエコ住宅やエコな素材でできたインテリア、環境負荷の低い電化製品などは環境に配慮されていると言えるでしょう。それに加えて、商品が生産される背景や使用後にも環境への配慮がされているかも確認してみましょう。省エネで商品が生産されていたり、使用すること自体がエコにつながったりするものなどが該当します。
サスティナブルファッションも環境に配慮した選択肢のひとつです。
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日本で開催されるロハスのイベント
日本ではロハスに関連したイベントが各地で開催されています。ロハスな生活を取り入れるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
ロハスフェスタ
「みんなの小さなエコを大きなコエに」をテーマに開催されるイベントです。大阪・広島・淡路島・東京・福岡で開催され、会場には⼿づくり雑貨や家具、健康的な⾷材から作られたフードやスイーツなどの出店があります。ロハスな生活スタイルに触れるきっかけになってくれるかもしれません。
ロハスパーク
遠くから家族連れの人々が集まるような、おしゃれでかわいくエコを実践するイベントです。主に兵庫と大阪で開催されています。ロハスフェスタと同様に手づくりの小物や家具、こだわり食材を使った手造りフード&スイーツなどの出店があり、開催地によってはアクセサリーやハンドメイド雑貨、ステージ、陶芸、石鹸手作り体験などのコンテンツも楽しめます。開催情報をHPで確認しておくのがおすすめです。
無理なくできるロハス生活の例
ロハスは「無理なく自分にできる範囲で」健康や地球環境に配慮した生活を送ることを大切にしています。環境・健康・精神面の3つの視点からロハスな生活の一例を紹介します。
地球環境にやさしい生活
・ペットボトル飲料の購入をやめてマイボトルを持ち歩く
・永く使い続けられるものを買う
・オーガニックコットン製品を使ってみる など
健康的な生活
・ヘルシーで化学添加物の少ない食材を意識して食べる
・車ではなく自転車を使って移動する
・有機野菜で薬膳料理を作る
・自然にやさしい石鹸を使う など
精神的に安定した生活
・デジタルデトックスをする
・ヨガや瞑想をする
・アロマや良い香りを取り入れる
・習い事や家庭菜園を楽しむ など
ロハスとSDGsの違い
SDGsはロハスの考え方を発展させて、多くの人が参加しやすくしたものと言われています。SDGsについても見ていきましょう。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語にすると「持続可能な開発目標」という意味です。国連加盟193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するための目標として、2015年9月の国連サミットで採択されました。SDGsは17の大きな目標と、それらを達成するための169個の具体的な項目で構成されています。
ロハスとSDGsの違い
SDGsは、世界規模で環境に配慮した持続可能な社会を実現する目標です。対してロハスは、個人が無理のない範囲で環境に配慮した持続可能な生活を送る考え方のことを指します。
また、SDGsには「環境」「社会」に加えて「経済」が含まれていることもポイントです。環境問題を解決するためには、個人だけではなく大勢で考え協力しあうことが必要不可欠です。日本では経団連が2017年11月に行動憲章を改訂。「Society 5.0の実現を通じたSDGs(持続可能な開発目標)の達成」の内容が盛り込まれました。こういった動きからも「環境」「社会」「経済」の三方良しを実現したものがSDGsと言えるでしょう。
ロハスな生活で心身を健やかに
ロハスは、自分自身の健康と環境にやさしいライフスタイルです。まずは「ロハス」という言葉の意味や社会の取り組みに触れてみてください。マイボトルを持ち歩いたり、無農薬の野菜を購入してみたりなど、行動を少し意識するだけでもロハスは実践できます。ロハス的な生活を無理なく自分にできることから始めてみませんか。