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コラム

KOMEHYOクオリティはこうして守られる。検品担当者の仕事とは?

KOMEHYOで販売しているアイテムは、買取後、どのようにして店頭に並ぶのか。KOMERU編集長が“KOMEHYOの品質の基盤”である商品センターを直撃し、実際の検品作業を取材しました。品質を見分けるテクニック、検品やランク付けの際に見るポイント、そしてメンテナンスの様子など、KOMEHYOの裏側を紹介していきます!

商品センター

KOMEHYOの商品センターとは?

――まず、お客さまから買い取った商品は、どのような流れを経て店頭に並べられるのでしょうか?

商品は、全国の買取センターから届き、着物やカメラ以外のものはこの商品センターに集約されます。集まった商品は、状態を見て仕分けし、販売基準内の物かどうか検品して、出庫するという流れ。個人向けに店舗に出すのか、オークションなど法人向けにするのかも考え、商材ごとに振り分けていきます。

検品においては、商品センターに常駐している上級バイヤーも入り、熟練の目利き力で、見落としている瑕疵(かし)がないか、ランクが適正に付いているか入念に確認。ブランドバッグなどは、高精度のAIも使ってチェックします。また、ものによってはジュエリー・時計・バッグ・アパレルそれぞれに精通した各専門スタッフの手でクリーニングしたり、磨いたり。必要に応じて、提携の専門パートナーへメンテナンスを依頼します。

ランクは商品の定価、傷や使用感によってまず買取時に付けられ、その後商品センターのケアによって改めて見直されます。

こうして新品のように生まれ変わった品物が商品センターから出庫され、各店舗のショーケースに並べられます。

ちなみに、KOMEHYOのブランド品の“目利き”と“AI”を活用した「KOMEHYOカンテイ(KOMEHYOの検品サービス)」の技術は、フリマアプリ「楽天ラクマ」の「ラクマ鑑定サービス」にも提供しているんですよ。またKOMEHYOでは、ご自宅やコンビニから発送していただいた品物を査定し、買取する「宅配買取」というサービスも運営しているのでチェックしてみてください。

段ボール箱

商品センターの風景

商品センターの作業内容

――それでは商品センターで具体的にどのようなことを行っているのか、部門別に、作業内容を詳しく見ていきましょう。

バッグ

仕入れの明細と突き合わせて、届いたのものの点数をチェックし、データ入力をしたら、法人向けに販売するものと、個人向けに販売するもので仕分けをして、検品やクリーニング(エアブロワーを使用して細かなゴミを吹き飛ばしたり、専用の掃除機で丁寧にホコリを除去したりします)、革素材の光沢を保つためのメンテナンスの作業に入ります。

ジッパーなどのパーツに不備がある場合は、メーカー純正品で修理し、ステッチのほつれや革素材の劣化が見られる場合は、専門業者での補強を行い、中古品でも長くお使いいただけるクオリティを基準としています。一方、特にメンテナンスが不要な状態で入荷してくる商品に対しては、余分な手を加えずコストダウン。お客さまにとって最適な買取額・販売価格を常に心がけています。

バッグのクリーニング

バッグは中まで丁寧にクリーニングしている

作業の様子

商品の定価を必ず確認する

傷の確認

値付けのために細かい傷も確認する

写真撮影

オンラインストアに乗せる写真の撮影

作業の様子

人の目で確認したものをAI用に撮影し、画像データを取り込んで学習させる。AIでの判断の精度を上げるため行っている

――バッグならではの気を付けていることはありますか?

バッグは傷つきやすい商材なので、価値が落ちないよう慎重に扱っています。チェーンがぶつかったりするだけで傷になってしまうこともあるので、そういったことがないよう、商品の種類ごとに細かくルールが決まっています。

バッグのラック

ラックに保管する際も傷つきやすいものは袋に入れている

ジュエリー

ジュエリーの部門でも、法人向けに販売するものと個人向けに販売するものを振り分けます。そして、販売基準に満たない場合はスクラップして法人にまとめて販売することもあります。また、デザイン面で古さが感じられる場合も、宝石の良さはそのままに、最新のデザインにリメイクすることで、商品としての価値を高めています。

仕分けした品物は腕利きの専門企業に出し、メンテナンス、磨きといった新品仕上げを行って、宝石本来の輝きを蘇らせ、またここに戻して検品します。宝石だけでなく、留め具などの小さいパーツも細かく修理・メンテナンスを行います。

ちなみに検品では、磨いた際に石が取れてしまったりしていないか?というのを顕微鏡で1つずつ見ていきます。ものすごくたくさん付いているものも全部。顕微鏡を使って石のチェックをするところが、他の商材とは大きく違うところかもしれないですね。

買い取った商品

素材別に選別される

作業の様子

顕微鏡で見ながら、針で石を1つずつ突いて揺れないかチェックする

作業の様子

刻印やサイズ等の情報を確認

傷の確認

傷の確認

値付けのために、細かな傷もチェックする

――作業をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

宝石と言うのは安いお買い物ではないので、お客さまにご満足いただけるよう意識しています。

衣料

衣料はまず、段ボールで届いた買取商品を出して、値札と商品を突き合わせて両方を確認します。衣料は、おおよその値付けを買取時に既にしているので、そこで付けた値札を確認するんです。また値札には、サイズや状態、定価など、お客さまが手に取るときに必要な情報をなるべく記載するようにしています。汚れや情報の記載漏れがあったものなどについては、新しい値札を作り直して付け替えていきます。

検品では、ポケットにゴミが入っていないかなど、そういったところも確認し、ブランドタグや素材表記、洗濯表記のタグも見ていきます。素材や状態を見極め、それぞれ専門性の高いクリーニングパートナーへメンテナンスを依頼し、可能な限りクオリティを高めてから店頭に並べています。

ちなみにアパレルだけ、オフシーズンの商品は倉庫にストックしておき、店頭に出すタイミングを調整しているんですよ。そこが他の部門との違いです。

作業の様子

作業の様子

検品・販売基準内か確認。服のタグや素材の質感で品質をチェック

――特に気を付けていること、意識していることはありますか?

取り扱うアイテムの種類が幅広いので、そのアイテムに合わせた取り扱い方をすることです。また、汚れはかなり厳しく見ています。さらに、ちゃんと情報が付いているというのも大事だと思うので、お客さまをがっかりさせないよう、値札にはできるだけ多くの情報を載せています。なんの情報をどのくらい盛り込むか……という難しさはあるんですけどね。オンラインの販売もしているので、検索したときに引っかかるよう、その対策もしています。

時計

時計はブランドや価格で仕分けし、法人向けに販売するものか個人向けに販売するものか、振り分けていきます。そして1点1点時計を見て、全て動作確認・内部点検を行ない、どんな修理が必要か確認して、その時計の年式や状態に合わせて必要な修理を行なっていきます。

最近は社内でも修理のメンバーが増えたので、こちらで修理することも多くなったのですが、基本的にはさまざまな時計修理専門会社にメンテナンスを依頼しています。そこでは時計に付いてしまっている細かなキズなどを、確かな研磨技術によって新品のような外装状態にしていただきます。

時計

時計をブランドや価格で仕分ける

作業の様子

外注に出すものも多いが、社内でも修理している

作業の様子

検品では傷の他、時間の狂いなど精度も確認する

ラック

箱などの付属品は修理中は別管理にしておき、再度突き合わせる

――時計ならではの作業上のポイントは何ですか?

きちんとした商品かどうかは気を配っていますが、少しでも気になるところがあったらメーカーに確認することも。また、細かい傷まで修理すればきれいになるのですが、修理代がかさめば販売価格が上がるため、そこの見極めが大切だと思っています。

商品センターが果たす役割

――最後に、KOMEHYOの中で、商品センターが果たす役割はどのようなものだと考えていらっしゃいますか?

商品センターは、お客さまの安心安全を担保する部署であり、KOMEHYOの心臓部でもあるのかなと。全国から集まった品物をメンテナンスして、また全国の店舗に送り出す。そのための心臓部だと考えています。

編集後記

知られざるKOMEHYOの裏側をじっくりに追い、改めて一つひとつの商品が人の手で丁寧にメンテナンスされ、生まれ変わっていることを認識しました。
今自分が使っている物も、いつか誰かの手に渡るかもしれないと思うと、扱い方が少し変わりそうです。

バッグ

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KÓMERU編集長 五郎部
サムネイル: KÓMERU編集長 五郎部
日本最大級のリユースデパート・コメ兵のオウンドメディア「KÓMERU」の編集長。 賢くオシャレにサステナブルを楽しむ方法を日々発信中。 編集長の傍ら、KOMEHYO SHINJUKU WOMENにも勤務し、若手ながらハイブランドに精通したスタッフとして活躍中。